「症例A」を読んで
2004年07月15日
■題名
症例A (しょうれいえー)
■著者
多島斗志之 (TAJIMA Toshiyuki)
■読了日
2004/7/13
■内容紹介 (本から引用)
作品情報ねえ、先生。どうかわたしを救って下さい。
精神科医の榊は美貌の十七歳の少女・亜左美を患者として持つことになった。亜左美は敏感に周囲の人間関係を読み取り、治療スタッフの心理をズタズタに振り回す。
榊は「境界例」に疑いを強め、厳しい姿勢で対処しようと決めた。しかし、女性臨床心理士である広瀬は「解離性同一性障害(DID)」の可能性を指摘し、榊と対立する。
一歩先も見えない暗闇の中、広瀬を通して衝撃の事実が知らされる……。
正常と異常の境界とは、<治す>ということとはどういうことなのか?七年の歳月をかけてかつてない繊細さで描き出す、魂たちのささやき。
■評価 (★5個で満点)
★★★★☆ (4点)
■感想
前任の沢村医師の死亡事故が、中核をなすな…との勝手な、にせミステリファンの予想を裏切る、驚きの死に方。「おいおい、あんたよ、なにしてるんだい」ともつっこみたくなる。
そう、メインはそこではない。よく調べられた精神科医療の現状と、その根底にある歴史と知識。そこがメインなのである。他人の心も、自分の心も知りたがる人間だから、こういう内容って結構惹かれてしまう。解離性同一性障害とは、多重人格のことなのだが、その内容も単なるサイコ小説には終わらない。精神科医療(心理学?)用語がバンバン飛び出し、なんだか頭のよくなったような気分にもなってしまう。(もちろん気分だけだが)
さらに、サブストーリーとしての首都国立博物館の贋作疑惑も物語を盛りたてる。どこでこのサブストーリーとメインストーリーが交わるのかワクワクもの。
自分たちには非日常の世界が、実はすぐ隣にある、と知らされる、秀逸な作品。
■りゅういち的配役
- 榊:まじめ、実直、好青年、慎重、30代。そんなやついるか?(^^;うーん、山本耕史か?でもちょっと若いな…。
- 亜左美:一見、あだち充風キャラ。難しい役どころだが、上野樹里に期待。
- 広瀬:読んでいるうちに、柴咲コウしかないと。でもちょっと若すぎる?30代演技でお願いしますよ、柴咲さん。
- 院長:理想の精神科医療を目指す人物、ということで、唐十郎に優しい演技で。
- 江馬:首都国立博物館の学芸員。知的な感じな人がいい。菅野美穂とか。
■関連記事
■前後の記事
- >> アメリカ旅行レポート ~1日目終了~
- >> アメリカ旅行レポート ~ハリウッド&ハイランド編~
- 「症例A」を読んで
- << アメリカ旅行レポート ~チャイニーズ・シアター編~
- << アメリカ旅行レポート ~ウォーク・オブ・フェイム編~
■タグを元にした関連記事
- ちゃっぷい、ちゃっぷい、どんとぽちぃ、どんとぽちぃ。
- コロンだブスの卵、あるいは勘違いで歴史に名を残す方法
- 連続テレビ小説「わかば」
- NHK 青春舞台 (全国高等学校演劇大会の優秀校公演)
- りゅういちの活字依存症(2001年6月)
■カテゴリ内前後の記事
(C) Copyright 1999-2008 りゅういち (webmaster@dvd-access.com) | 編集 | もコラム | 読んだ本
■ トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dvd-access.com/mt/mt-tb.cgi/155
「症例A」を読んで へのトラックバック
- 薬を飲んでいないとだめなのか 【心療内科 カウンセリング@情報部屋】 (2007年01月13日 00:39)
-
from 心療内科 カウンセリング@情報部屋
【心療内科 カウンセリング@情報部屋】精神病と投薬の関連性ですが、精神病の治療の定義には投薬の有無は完全に関係ありません。「自分の感情を自らコントロール出... [続きを読む]
- 精神科 (2007年04月03日 06:32)
-
from 徒然なるままに…
最近、知人から精神科に通っていて、精神安定剤を処方されているとの話を聞いた。精神科か・・・。俺も気分の浮き沈みが激しいし、情緒不安定だから以前より何度とな... [続きを読む]
- 音楽 心理学 (2007年05月13日 18:24)
-
from 心理学@心理学
「音楽の認知心理学」の本のコメントです。「人は音楽をどの様に知覚し、認知するのか」を心理学の面から問いかけ、その謎に迫ろうとするのが本書です。内容は、心理... [続きを読む]





